2月11日 火曜日
平成20年4月5日(土曜日)
●昨年セットしたケースを上から見て、産卵木が割れて、ある程度バラバラになっている場合。
●ケースを持ち上げて下から見て、ケース下面に産卵木から落ちた幼虫を見つけた場合。
・産卵木から飛び出て落ちた幼虫は下へ下へと進む習性があります。
・マット自身がクヌギ100%粉砕を使用していますので、そのままでも幼虫はマットをエサとして食べ生きられます。
●上と同じく下から見て、幼虫自身を発見できなくても幼虫がはった跡(筋)を見て取れた場合。
・幼虫は一度産卵木から落ちてしまっても、再び木を探してもぐって行きます。
→上記の場合は、100%幼虫がいる。 育っていると考えて間違いありません。
●上から見ても下から見ても、何の変化も無いという場合。
→この場合でも、卵や幼虫が育っている可能性は十分にありますので、様子を見ましょう!
●プリンやゼリー等を入れる容器(小さいカップ)を複数
・割り出した幼虫を1匹ずつ個別に入れる為のカップです。
・1セットから少なくても4〜5匹、最高で20匹前後の幼虫が取れます。
・1本の産卵木から10匹位の幼虫が取れる場合もありますが、
同じケースにセットしている別の産卵木からは1匹も取れない場合もあります。
・産卵木に何等かの問題があったのかもしれませんが、
親♀が気に入った産卵木に集中的に産卵したのかもしれません。
●クヌギ100%のマット
・上記カップに入れる為のマットです。
・まぁ、無ければ、わざわざ買わなくてもセットしてあったケース内のマットを使用していただいてもOKです。
●新聞紙
・テーブル等の上に新聞紙を敷き詰めて産卵木とマットが入っているケースをひっくり返します。
●電気屋さんが銅線を切る時に使うニッパー
・ニッパーは大か中のバネ無しがお勧めで使い易いです。
・ニッパーは産卵木を少しずつ割っていく時に使用します。
・割り出し専用のペンチも販売されていますが1本5千円とか1万円と高いのでニッパーで十分です。
●後片付け用のゴミ袋
●産卵木入り新ケースセット
・ケースをひっくり返す前に先に成虫♂♀を取り出しますが、その成虫♂♀を再セットする為に使います。
(オオクワガタ飼育術・その1、参照)
●上にも書きましたが、親成虫♂♀をケースから取り出して新しく用意した産卵木入りケースに移し変えます。
・親♀は、この時点でお腹に卵を抱えている可能性がありますので、すぐにでも産卵可能な状態を作ってあげます。
●親成虫を取り出したら、新聞紙を敷いた所にゆっくりとケースをひっくり返して産卵木とクヌギマットを全部出す。
●まずは産卵木からクヌギマットに落ちている幼虫がいないかマットを丁寧に探す。
・結構マットの中にも幼虫はいます。
●マットの確認を終えたら、次に産卵木からの割り出し作業です。
・2〜3本入れてあった産卵木の中で一番バラバラになっている産卵木から1本ずつ順に割り出していきます。
●準備したニッパーを使って少しずつ丁寧に慎重に割り出してくださいね。
・ニッパーにて割り出し中に幼虫が食べて進んだ跡の道筋を見つけることがあると思いますが、
その場合も慎重に道筋を追うように割り出し作業を行ってください。たいてい近くに幼虫がいます。
●産卵木の中に幼虫を見つけたら、そこからが勝負です。
・少しでも幼虫を傷つけない(殺してしまわない)ように、さらに慎重に割り出していきます
・最後の取り出しは木をコンコンとゆらし、産卵木からマットの上に幼虫を優しく落としてあげる感じで取り出します。
・割り出し作業は絶対に焦らず慎重に丁寧に時間をかけて行ってくださいね。
・幼虫は素手で触らないでください。 必ず、スプーン等を使用してください。
●取り出した幼虫は直ぐに準備してあるクヌギマット入りカップに移し入れます。
・共食いの可能性がありますので、1カップに1匹だけにしてくださいね。
※ まだ1令幼虫(孵化直後の幼虫)にもなっていない、オオクワガタの卵(白黄色)を発見した場合は、
その時点で割り出し作業を止め延期します。
※ 延期の場合は、産卵木とマットを元のケースにそっと戻して3〜4週間したら上作業再会です。
※ 何等かの理由で割り出し作業を中断する場合も上と同じくケースに戻しておいてください。
《菌糸ボトルの種類》
●まず菌糸ボトルは原料として、おおくわがたに最適なクヌギベースの物、
タランドウスやオオゴンオニ用のカワラタケベースの物やヒノキベース、シハイタケベース、
クジラタケベース・・・色々あります。
●大きさ(容量)も一番小さい物で「プリンカップ」といい120cc位の物から800ccのボトル、
1Lのボトル、1.4L、2L・・・色々あり、各メーカーによってもさまざまです。
●各メーカーによる品質の違いは、詰め加減の強弱(意味分かるかな?)や菌糸自身の良し悪しがありますが、
色々試してみると楽しいですよ。
●あとはボトルが透明なガラス製(値が高い)か乳白色のプラスチック製(一般的で安い)か。
●産卵木から割り出した1令幼虫と2令幼虫の数だけ「クヌギベースの菌糸プリンカップ(1ヶ120円位)」を購入してください。
●3令幼虫まで育っていた場合は800ccか1Lのクヌギベースの菌糸ボトルがお勧めです。
《菌糸プリンカップやボトルへ幼虫を入れる方法》
●プリンカップの蓋を開け、真ん中部分を少し掘り(直径・深さとも1cm位)、周りの白い菌糸を取り除きます。
●その掘った穴に産卵木から割り出し仮カップに入れてあった1〜2令幼虫を入れてあげ蓋を閉めます。
●菌糸ボトルの場合はボトルの肩口あたりまでを捨てて真ん中穴に幼虫を頭から上手に入れてやってください。
・硬いですのでマイナスドライバーを使ってください。
※ プリンカップを掘るのは、1〜2令幼虫は弱いのでもぐってしまう前に菌糸にまかれて死んでしまうのを防ぐためです。
※ 本来、菌糸が幼虫のエサなのですが、幼虫がもぐって食べだすまでは幼虫の敵?になります。
※ 過保護なやり方ですが、1令幼虫をプリンカップに入れてやる場合は、
穴に幼虫を入れた後、幼虫の上にクヌギマットを少しかけてやると、
もぐるまでの間に菌にまかれて死んでしまう事故は防げます。
※ それぞれのカップやボトルの蓋に幼虫を入れた月日を記入していきます。
※ 自分達は見た目の感覚で幼虫の大きさを測り、月日と共に大や中とか小と記入しています。
※ 後述しますが、幼虫を見て♂♀の判断が付けば、それも記入します。
例:「特大♂4/3」とか「中♀5/11」って感じです。
※ プリンカップやボトルを入れ替える度にその日付を追記していきます。
例:「特大♂4/3、5/2、8/15」ってね。
《菌糸プリンカップやボトルの移し変え》
●プリンカップに入れるのは1〜2令幼虫の時だけですので、一回きりです。
●プリンカップの次は800ccや1Lのクヌギ菌糸ボトルに入れ替えますが、
タイミングの目安は幼虫がカップ周りの白い菌糸を食べていき、
白い菌糸部分の残がカップ全体の20〜30%しかなくなった時です。
●ボトルからボトルへの移し変えのタイミングも上と同じく菌糸残が20〜30%の時です。
※ 飼育資金に余裕がある方は、もうちょっと早めの交換が良いかもしれません。
※ 幼虫の最終大きさイコール成虫の大きさですので、幼虫を如何に大きく育てるかが勝負(楽しみ)です。
※ 上の写真は1〜6の順に幼虫がボトルの中の菌糸を食べ進んだ様子で、食べた部分は黒くなります。
※ 6の状態は、白い菌糸の部分がほとんどなく、交換時期を既に逸しています。(悪い見本!)
《菌糸プリンカップからの幼虫取り出し方法》
●これは至って簡単で、新聞紙の上にカップの中身を幼虫ごと全部ひっくり返して出してから幼虫だけを取り出します。
《菌糸ボトルからの幼虫取り出し方法》
●準備品として、専用の菌飼育用スプーンがあればベストですが、代用品では長めのマイナスドライバーかカニスプーン。
※ 菌飼育スプーンとは30〜33cm位の長くて強度のあるスプーンですが、
クワガタ専門店に行けば500円位で売っています。
●菌飼育スプーンや代用品を使いボトルの上から慎重に削っていき幼虫を取り出します。
※ その際、ボトル上部分は硬いので力を入れて削っていきますが、
幼虫がいる近辺は空洞になっているため急にボコッといってしまい・・・
幼虫を傷つけ死なせてしまうケースがありますので注意して作業してください。
※ 上事故を防ぐには、あらかじめボトル内の幼虫の位置を把握しておくことが一番です。
※ その部分に到達するまでは雑でもOKですが、近づくとゆっくりと慎重に作業してくださいね。
●真っ暗な場所がいいです。
●風通しが良い場所がいいです。
●直射日光は厳禁で高温保管も厳禁です。
・最適温度は、研究してくださいね。
●条件を満たすのが難しい場合は、新聞紙等でボトルを巻くのも一つの方法です。
・庭の土にボトルを埋めておく方法論を推奨される方もおられますが、我々としては賛成できません。
●可能なら室内で保管してください。
※ ブリーダーの中には専門部屋を造り冷暖房完備されている方もいます。
※ そこまでしなくても75mmオーバーはできますよ。
●菌糸プリンカップや菌糸ボトルは購入時少し余分に買う場合が常ですが、
未使用のカップやボトルの保管は劣化を防ぐ(遅らす)ために冷蔵庫にて保管してください。
●冷蔵庫保管でも、だいたい約6ヶ月が限度でしょうか。
・クワショップ関係者は、「もっとモツよ!」といいますがね。
●目安としては、本来真っ白な菌糸部分が黄色(少し黄色はOKです)や茶色(完全×)に変色したらアウトです。
・これでも使える、とおっしゃる方もおられますが。
●幼虫入りの菌糸ボトルが変色する場合もありますが、こちらは心配ありません。
●♂♀の見分け可能な幼虫は3令以上の幼虫です。
●人様と同じで幼虫も大きくなればなる程、見分け判断ミスは無くなります。
●幼虫には全身に横筋がありますよね。その筋の中で最尾(おしり)から3節目の背中側を熟視します。
●その部分表皮のすぐ内側に白く濁ったようなゴマ粒位の点が両サイドに有れば、
それは卵巣で♀ということになり、逆に無ければ♂です。
●菌糸ボトル外側からの♂♀確認は不可能ですが、ボトル入れ替え時に、
その度ごとにご確認いただき、お子さんに説明してあげてください。
※ きれいに洗った手でも素手では幼虫に触れないでくださいね。
※ 素手で触っても大丈夫説もありますが、人の手には幼虫に合わない油?菌?が付いていると言われています。
※ こればっかりは試してみる気にはなれず未実験です。 「実験!」「研究!」とかいって死んだらかわいそうですもんね。
●菌糸ボトルは羽化を早めるためと幼虫をより大きくするための物で、
通常自然界では羽化するのに2〜3年はかかりますが菌糸ボトルの場合は1年で成虫になります。
・小生経験上1度だけ1匹だけ2年がかりになったことがありましたが。
●だいたい春の4〜5月頃にはさなぎに成りますが、その前に幼虫は羽化に必要な蛹室を作ります。
そうなると、いくらボトル内の菌糸残量が少なくてもボトルは入れ替えてはいけません。
そのまま動かさずに7月頃までそっとしておいてください。
※ ボトル外側から蛹室やさなぎそのものが見え、
ピョンピョン動いている様子も見えて子どもたちには楽しいかも知れませんが、
虫にとってはこの段階が一番危険で重要な時期ですので絶対にボトルをゆらしたりしてはいけません。
ボトルを落とすことなどは論外です。
※ この時期を大切にしてあげないと、例え羽化しえたとしても、羽化不全や奇形になることに繋がります。
●7月頃になればだいたい成虫に羽化しているので掘り出してもいいでしょう。
●取り出して直ぐの成虫はゼリーをあげても食べない場合がありますが(特に♂は)、
それはまだお腹に栄養分を持っているせいですので心配はいりません。
そういう事を考えると成虫の掘り出し作業は8月や9月で遅すぎるということはなく逆に良いかも知れません。
・子どもたちにとっては1日でも早く見たいのでしょうがね。
◎奈良オオクワセンター:0744−9局0090 (究極のオオクワ)ですって。(笑)
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