こんにちは、ハコ@中国出張中です。 今週の旅ラン第二弾は、中国の古都西安の城壁ランをレポートします。
日曜の香港トレランでドジってしまい、何処かでランニング不足の埋め合わせと話題性を取ろうと思っていたところ、今日の夕方、時間が出来たので西安の観光名所の一つ、城壁をランニングして来ました。
昨年11月からこの西安に来るようになり、通算15日位は滞在したかと思いますが、市内の観光地に行くことも無く、城壁は年に一度ここで行われるマラソンをマークしてたので、一度は走ってみたいと思ってました。
「夕食前にランングするので、夕食は遅めにするか独りで食べるよ」、とローカルセールスJambo(でも小男)に帰りのタクシーで声を掛けると、 「じゃあ、僕も城壁を散歩するので一緒に行きましょう。」 と言うので、一旦ホテルに荷物を置いて、一緒に城壁にタクシー移動。 西安は、昔、長安の都で、外敵から街を守るのに外周14km余りの立派な城壁が作られ、今でも市内観光の目玉の一つ。 以前、フライト移動前に時間があったのでこの同僚と短時間歩いたことがあります。 その時は、朝早くで、料金所も開いてなくタダで城壁に登りましたが、今日はきっちり入場料を支払わされる。 40RMB。 ローカル食事なら30RMBで済ませれることを考えると、結構まともな入場料です。
(左上:安定門の外壁。右上、下:入場券売場前のノボリ 左下:安定門の内壁。ここからスタート)
「俺は真面目に走るんで、一周回ってJamboを追い越したら、そこで帰ろう。 時計回りでいいね。」 「いいですよ、僕はゆっくり歩いてますから。 あ、その袋、僕が持ってますよ。」 袋に現地携帯電話、お金、タオルを入れて彼に預けました。 「あっ、やっぱり携帯電話持っておこうかな。もしもの時に。。」 「他に行かないから、携帯電話持ってなくても大丈夫ですよ。」 「そうやな。。じゃあ、先にいくね。」 彼は、29歳。20歳年下の兄ちゃんですが、ランニングではおじさんは負けないよ、と後ろ姿で誇張しながら、城壁への階段を駆け上りました。
城壁は、幅10-12mでしょうか、週末の日中は観光客で一杯なんでしょうが、流石に平日の日暮れ前は、殆ど人も居ません。 石畳ですが基本はフラットな真っ直ぐな道のど真ん中を我が物顔でランニング出来るのは、何と無く優越感。 しかし、最初のペースがちょっと速かったのか、5分ほどでしんどくなります。 城壁は東西方向に長い長方形で、一周約14kmという事以外前情報がありません。 最初のコーナーで、一応記念写真。 コーナーを回って、長辺側の東西路になります。 たまに、レンタル自転車が追い抜いて行く以外、殆ど変化の無い城壁は、変化に乏しく、呼吸が苦しい状態で走ってることもあり正直、ちょっとめげてきます。
(左上:走り始め。右上:5分後。右下:最初のコーナー、ここから東西の直線へ。 左下:走って15分後)
「フラット、信号、車のいない直線路。 本来、喜ぶべきなんだろうけど、独りで黙々と走るのは、身体が出来てないのでしんどいなあ。」 と、やはりおやじ走行会の緩い雰囲気が懐かしく、歩きたい衝動にかられます。 その頃から、気になり出したのが、Jamboと出会うタイミング。 同じ方向に移動始めたので、私は一周走り切って、彼を追いかけることになります。 いわゆる、旅人算の文章題が頭を過ぎります。 「カッコつけて、あいつを追い越すまで走るって言うてしもたな〜。」 「出発地点に1:30後に集合にしたら良かった。 ああ、携帯あったら連絡取れるのに。。」 「でも、彼もそんなに歩いたら飽きるやろうし、こっちが一周回る間に元の場所に帰ってくれてるかも。」 「でも、一周して彼が居なかったら、同方向に追いかける方が良いか、逆周りの方が早く出会えるやろうか?」 独りでランニングしながら、色々と頭に不安が錯綜します。
城壁の東西長辺は、約25分ラップで通過。 コーナー曲がって次の北→南の短辺は、15.5分で通過、やはりかなり横長の長方形みたいです。 30分ほど走ったとこで、息は楽になり、日暮れの風も爽やか、日本の今の気候に比べるとかなりランニングには心地よい条件。 海外の(恐らく)世界遺産級の歴史的建造物でランニング出来るとは、素直に喜べ! と頭は言うのですが、同僚と出会えるまでどれだけ走ることになるかと思うと、素直に幸せを感じれず、黙々と石畳を走りました。 4つ目のコーナーを回る頃には、どこを撮っても一緒なので写真も撮らず、取り敢えず一周目完走を目指します。 走り始めた方向とは風景が違ったので、危なくスタート地点の安定門を行過ごすところでした。 時計を止めて確認、水飲み休憩入れて約80分。正確は距離は分かりませんが、まあ、キロ6分弱のペース。
「さあ、私のJambo君はいるかなぁ。」 彼がスタート地点で待ってることを期待して、周りを見渡すも、日暮れ前の城壁に人影はありません。 「あかん、走り続けないと、彼に追いつかん。。」 彼の歩行速度が私のラン速度の半分より速いとは思えず、約束通りに歩いてれば城壁の半分以内にいる筈。 逆走して出会いに行くより、彼が止まったり、引き返してる可能性の考えると、追いかけるのが正解だろう。 良く雑誌にある、"走ると頭が活性化する"、の真偽は体感しませんが、ランニングしてる時は、結構、アイデアとか浮かんで来るのは事実。 でも、走る前は機転が利かないから、携帯電話忘れてしまった。。 いつも、走って生活してたらもう少しまともなのかも。。。
順方向で追い掛けることを決めたものの、彼も1.5hは歩いてれば、数km先にいる筈で、それに追いつくのにどれだけ走らないといけないんだろう。。 と思うと、メチャ意気消沈。 お金も彼に預けてしまったので、レンタルサイクルも、乗り合い観光ミニバスも乗れない。 走り続けるしか、無し。。
フォアフット心がけていたつもりだけど、膝に若干の痛みあり。 やはり、石畳ってクッションないからね〜。 「おーい、どこまで歩いて行ったんだよぉ。。」 もし、彼が黙々と(私のランの1/2の速度で)歩き続けてたら、二週目のスタート地点で追いつく。。 我ながら、元気がなくなる。
後ろから乗りものが近づき、中国人(と思う)が5,6名乗ったミニバスが追い抜いて行きました。 一人のおっちゃんが後ろを振り向き、私に指で「good luck」合図を送ってくれました(中国語のサインは違うかなぁ。)。 「おっちゃん、乗せてーや。」 と心で叫びながら、苦し笑顔で親指立てて対応。 タンデム自転車に乗った中国人(と思う)親子に追い抜かれる。 後部サドルの子供が、お父ちゃんに何か言ってる。「このヒト、何で走ってるの?」 って言ってたんだろうなぁ。 「ボクぅ、おじさんに代わってくれない?」 中国語が使えないと、ここでは黙るしか無し、黙々と足を前に運ぶ。
二週目スタートして、35分後、前方にJamboらしき人影発見。 おーぅ、やっと見つけたぁ! 一気に重かった足取りもペースを上げ、彼の元へ走り寄りました。 彼は、約束通り、時計回りに休憩しながらゆっくりと歩いていたみたい。 ま、とにかく良かった、良かった。
(左上:俯くと見える光景(こればかり) 右上:乗りたかったレンタサイクル 右下:最後のコーナー(人いない) 左下:待っていた同僚君)
タクシーでホテルに帰着、シャワーしてから近所の麺レストランで夕食。 久々に、20km走ったら、心地よい疲労です。 先程、走行距離をJogging simulator で確認。 西安城壁は、(東西)長辺4.4km、(南北)短辺2.8km 一周 14.4km でした。 今日の城壁ラン、1周目 5'33"/km、2週目 6'20"/kmのペースで、追いつくまで丁度計20km走ってました。
(西安城壁のルートマップ(?))
西安に出張、旅行の際は、城壁ラン一度トライして見て下さい。 走らなくても、自転車で一周するのも手軽で良いかも。 街の様子が分かります。(ま、あんまり代わり映えはしませんが。。)
では、では。
(7/17 追記 : 本日、西安城壁の距離を再測定したところ、一周13.7kmでした。 上記の掲載ルートは、城壁周囲のお堀でした。 失礼しました。)
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