こんにちは、懲りずにハコです。 番外編として、ヨーロッパの音楽ホールの紹介を少々。
趣味の一つの音楽鑑賞ですが、欧州在住中は、日本ツアーではびっくりする高額なオケを本場のホールで楽しめました。 今となっては貴重な経験だったと思います。 オーケストラ、オペラ、バレエとホールは異なりますが、今日は、音楽専用ホールを4カ所、泣く泣く限定しての紹介です。
先ず、基本的なお勉強から。 音楽ホールですが、大きく分けて2つのタイプがあります。 ワインヤード型とシューボックス型。
前者は、葡萄畑の名の通り、区画に区切られた席が舞台を取り囲む用に配置されたモノで、戦後に音楽専用ホールとして設計されたホールはこの形を採用する場合が多いです。 日本では、東京のサントリーホール、大阪では大フィルのホームゲレンデ、ザ・シンフォニーホールがこの形になります。 後者は、靴箱の名の通り、長方形をした昔ながらのホール。 オペラ用のホールはこちらの形が多いでしょうね。 日本では、東京オペラシティ コンサートホール、大阪ではいずみホールがこの代表かな。
では、本題の欧州有名ホール紹介の始まり、始まり。
音響的には決してベストでは無いのですが、自分が定期会員になっていたホールを外すわけにも行かず、最初はドイツ、ミュンヘンのガシュタイク(Gasteig)です。 ここは、ミュンヘンフィルのホームでして、典型的なワインヤード型。 席数も多く、巨大なホールです。 ホール後方がバルタン星人の頭のようにV字型をしており、後方の席は、反響音が色んな方向から来るために、決して良い環境とは言えません。 もし、っこでお席を取るなら、奮発して真ん中位をお勧めします。
写真は、ミュンヘンフィルの定期演奏会の風景。 シーズン席を取っていたマイシートからの風景です。
ミュンヘンには、もう一つプロオケがあります。 バイエルン放送響と言われる、地元放送局のオケですが、実力はミュンヘンフィルと互角か、上。 彼らのコンサートは人気が高く、席数も限られており年間予約はなかなか出来ません。 彼らのホームが、ヘラクレス・ザール(Herkulessaal)。 こちらは、昔の宮殿にある大理石で囲まれた小さめの(木造?)ホールで、シューボックス型。 落ち着いたホールですが、オケが演奏するにはちょっと狭いのが難点。 有名ピアニスト M.ポリーニは、レコーディングにわざわざ、このホールにやってきます。 ミュンヘンへ音楽旅行されるときは、是非、考慮下さい。
いきなりの、長文出発になってしまいました。 次は、最も精神的にお世話になった、ベルリンのPhilharmonieのご紹介。 ここの建物の外観は”車窓”で報告しましたが、中の大ホールはこんな感じ。 戦後、音響設計を真面目に考えたホールの代表格で、1963年(私の誕生年)に完成したようです。 典型的なワインヤード型、と言うか、この形のホールがワインヤード型の先駆者だったと思います。 ガシュタイクほど大きくなく、最後方の席でもオケはしっかりと聴けます。
写真は、結構前方のお席から演奏終了後のベルリンフィル舞台を撮ったもの。 指揮者はサイモン・ラトル、コンマス(バイオリン最前列の右の人)は、日本人で初めてベルリンフィルの第1コンサートマスターを勤められた安永さんが写っています。 曲目は覚えていません(何度も聞いたので。。)が、最高のコンサートだった、、筈。 ベルリンフィルは、HPで簡単にチケット購入できますので、ご旅行の際は是非。
段々、マニアックさが出てきました。 疲れた方は、退場頂いても結構ですよ。
次は、お正月の名物行事(New Year Concert)で有名な、ウィーン学友協会(Viener Musikverein)の大ホール。 通称、黄金の間と呼ばれるシューボックス型のホールです。 ドイツ、ベルリンフィルと双璧(少なくとも日本ではそう思われていますよね。。)のウィーンフィルの本拠地がここ。 彼らの定期演奏会年間チケットは、殆どが世襲で渡るので、一般の人はこのホールの定期演奏会のチケットは、当日の立ち見以外は先ず買えません(立ち見も、確か事前登録で整理券入手が必要)。 ですが、抜け道があるのです。 定期演奏会のチケットを持っていても、最初から行くつもりのない人、当日行けない人はいるモノです。 前者は、ブローカーを通じて、自分のチケットを売り、それらのチケットは周り回って、JTBさんらの企画する”欧州音楽旅行”の鑑賞チケットに姿を変えます。 参加者の方は、どんな席のチケットが当たるか、20ユーロの最安席か、100ユーロの最上席席か、当日のお楽しみ、運次第みたいですね。 で、お勧めは後者のチケットを当日、現地で入手する方法。 ウィーンフィルの定期演奏会は、年間10回程度。 特定の音楽監督を置かない彼らは、世界一流の指揮者が毎回やってきます。 奏会は、土曜の午後と、日曜の朝の2回ありますが、私は演奏会当日、日曜の早朝にホールの前で ”チケット、買うで!(ホントはもっと丁寧な表現ですよ。。)” とドイツ語のカードを胸に出してると、100%、当日不参加の人がチケットを売ってくれます。 勿論、ダフ屋じゃないので、額面の金額です。 リスクはありますが、これまで5回トライして、ハズレなし。 もし、皆さんの旅行中、幸運にもウィーンフィル定演に日が重なったら、トライしてみて下さい。
で、これがホールの内部です。 隣の観客との間隔が狭く、椅子も快適とは言えませんが、やはり伝統を感じるホール。 写真は、ウィーンフィルの演奏終了後。 真ん中で抱き合ってる右のハゲ(失礼)が、指揮者のエッシェンバッハ。 彼は、もとはピアニストでしたが、ウィーンフィルを振れるまで成長されたんですね。 だんだん、疲れてきましたが、最後のホールに行きましょう! これは、伝説の”奇跡”のホールと言われる、アムステルダムのコンセルトヘボウ(Concertgebouw)。 コンセルト。。とは、オランダ語で”コンサートホール”の意味。 ですので、オランダにはいっぱいコンセルト。。があるのですが、首都アムステルダムのホールは、音響効果が超!優良。 何度か出張でAMSを訪問する機会があったのですが、演奏会と出張が同じ日に入るわけは無く、ずっと憧れのホールでした。 で、ドイツからの帰国が決まった後、自腹でアムステルダムまで演奏会を聴きに飛びました。
ここは、アムステルダム・コンセルトヘボウ・オーケストラのホーム。 このオケは、地味ですが、実力はトップクラス。 数年前のレコード芸術紙でリスナーの選ぶbestオケで、堂々の2位(確か、1位はベルリン)になってました。 彼らのコンサートは回数が少ない(気がする)のと、HPがオランダ語なので、チケットの予約が大変。 雰囲気で頑張りました。 ホールの音響、オケの実力は認めますが、どの席でも一律のお値段を要求される態度には、少々ムカツキますね。 オケの後ろや、端の席だと結構高い買い物です。
ホールは、典型的は靴箱型。 オケを載せるには少々窮屈な舞台ですが、ここも伝統を感じます。 木造構造が、奇跡的な残響を生んでるらしく、本当に弦の音が綺麗でした。 このホールで、ベルリンフィルやウィーンフィルを聴いてみたい気がしますが、恐らく、コンペしターにはこのホールは使わせないでしょうね。
今日はこれくらいで終わります。 もっと紹介したいホールはあるのですが、キリ無いですね。 オペラ座は別途紹介したいと思います。 では、最後までお読み下さった皆さん(居ないか?)、Danke!
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